佐藤純の賭博回遊業 自分への誕生日プレゼント

三十路と言えた頃を懐かしいと感じる程度に年をとってしまった。俺の人生を振り返ってみると、幼少時代に祖父に連れられて行ったパチンコから始まり、学生時代にのめり込んでしまったスロット、社会人になってからは裏カジノに足を運んだりと、人生の半分以上を博打に費やしていた。あまり褒められた人生ではないが、この経験によって様々な人間との繋がりができたことも事実であるし、このままでも良いのかなと思ったりもする。

まずはジパングにログインし、ふと目に付いたタイパラダイスからスタートしたのだが、全くでない。お花が欲しい・・・2枚は出るが、3枚同時が無い。何も起きぬまま、全てのチップをタイのお姉ちゃんに捧げてしまい、誕生日プレゼントは消失してしまった。ここでカッとなって入金しては、の思う壺だ。おとなしくここはログアウトを選択する。

気を取り直し、続いてにログイン。ジパングと同額のチップが振り込まれていた。このボーナスを増やして、本当の誕生日プレゼントにしたいものだ。

今回は、先ほど惨敗したタイパラを避け、熱狂ロトに賭ける事にした。このは古株で、俺がオンラインカジノを始めた頃にはもう導入されていたスロットだから、10年近くアップされているスロットになる。それだけ人気が有るということだろう。0.6ドルからスタートして、残高の増減は有るものの、殆ど水平飛行。この状態なら、もしかしたらフリースピンに当選するかも知れないと1ドルにベットアップ。ベットを上げた途端、子役が出なくなり、あっという間に残高0…。

佐藤純

元々無料でもらったボーナスとはいえ、ここまであっさり無くなってしまうと笑いがこみ上げてくる。「本日の営業はここまでです、お疲れ様」と、不貞腐れて寝たのだが、直ぐに目が覚めてしまった。自分の誕生日を盛大に祝おうなどとは思わないが、負けっぱなしというのも癪に障る。財布の中身を確認したが、一勝負できる程度には余裕があった。

さて、何をリベンジの対象にするか?スロットのような、運任せのゲームでの勝利は恐らく無理だろう。自力で勝利を掴むには、それなりに戦略が有効になるゲームを探さなくては成らない。考え抜いた結果、標的はカジノホールデムに設定した。

ホールデムは、今まで俺が書いた記事に一切出てきていないので少し説明をしておく。これはポーカーの一種で、最初に掛け金をアンティーの位置に置く。ディーラーは、プレーヤー側とディーラー側に各2枚のカードを配り、更に3枚のカードが場に配られる。その時点で、プレーヤーは勝負をするか降りるかの選択を迫られる。「1ペア以上」「スートが同じ」「数字が並び」等、の役になり得る形が最初の5枚で見えたら、ゲームを継続する為の掛け金を追加ベットする。ちなみに、ゲームを降りる事が可能だが、その際にアンティーに置いた金額は戻らない事に成る。賭けを続行する場合、更に2枚のカードがボードに配られる。ディーラーとプレーヤーは、最初に出した個人カード2枚と表にされた5枚の共通カードを使い最強の役をそれぞれ作り戦うのだ。

説明はそこそこに勝負の内容に入らせて貰う。初回は様子見で、アンティーも払わずルック。するとプレイヤー側に4カードが出来上がった。ディーラーの作った役は確認出来なかったが、プレーヤーの勝利は間違いないだろう。勝負には流れが重要だと俺は考えているので、流れが良いときは厚めに張る事にしている。

アンティーを張れる状態に成ったと同時に、10ドルの支払いを完了させる。カードが配られ、俺に来たのは【スペードの4】と【ダイヤの4】。勝負は十分出来ると判断し、更に賭け金を差出して勝負を続行。追加で配られたカードから強役を作ることはできなかったが、ディーラーは豚で無事に勝利。残高は130ドルまで上昇した。流れが完全に傾いているのか、この後も同額程度で勝負を続け、最終的には200ドル以上のプラスに成ってしまった。

「欲に勝ちさえすれば、博打の勝率は飛躍的に伸びる」と教授してくれた先輩が居たことをふと思い出し、端数を適当にスロットで調整し、残高が300ドルになったところでスッパリとゲーム終了した。出金申請後、すぐにPCをコインロッカーに封印してリバース防止に努める。

自分への誕生日プレゼントは現金になってしまったが、賭人にとっては一番のプレゼントだろう?

この物語はフィクションです。あくまでも「読み物」としてお楽しみいただくためのものであり、インカジ(カジノカフェ)を奨励するものではありません。ネットカフェでのインカジ利用では摘発者が頻発しています。

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