日本でカジノはいつ解禁・できる?カジノ(IR)法案や候補地など最新情報

2016年に「IR(統合型リゾート)推進法案」、いわゆる「カジノ法案」が成立したものの、ずっと計画が進まない状態が続いていましたが、いよいよ整備計画が策定されました。

結論から言いますと、「2030年、大阪にIRができる」ということが決定しています。

また、多くの国では自国民がで遊ぶことを厳格に規制しているのですが、日本人も6,000円の入場料を払えば遊べるようになりました。

つまり日本人が自由に遊べるカジノが数年後には出来るようになるということです!

このページでは、「カジノ法案とは?」といった基礎知識から、IRがあるとどんなメリットやデメリットがあるのか、日本に店舗型のカジノができたらオンラインカジノはどうなるのか、などの詳しい知識まで解説します。

「IRってどうせカジノだけなんでしょ? 全く興味ないよ…」と思い込んでいる方に大変おすすめな記事となっています。

目次
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1
カジノ法案(IR推進法案)とは?

2
カジノ法案(IR推進法案)のメリット

3
カジノ法案(IR推進法案)の問題点

4
【IR】カジノ候補地は大阪「夢洲(ゆめしま)」に決定

5
日本のカジノが開業するのは2030年秋予定

6
カジノが開業した場合の規制

7
今後の展開について

8
カジノ法案(IR)のよくある質問集

カジノ法案(IR推進法案)とは?

カジノ法案(IR推進法案)とは?

「カジノ法案」と言う名前なのでカジノだけを作る法律だと勘違いされがちですが、この法案の正式名称は「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」です。

この「特定複合観光施設」のことを「IR(統合型リゾート)」と呼びます。

IRは賭博場ではなく、ホテルやショッピングモールなど様々な施設が統合されて出来ているリゾート地です。そこで国内のみならず海外からも観光客を呼び込み、長い間滞在できるような観光地として使ってもらうのがIRということになります。

カジノは統合型リゾートの中の1つの施設に過ぎませんが、カジノの運営で収益を獲得することにより、自治体の財政難を改善させることが目的となっています。

海外ではマカオ・ラスベガス・モナコなど様々な都市で統合型リゾートが建設されており、それに倣った形で日本にもIRを作ることが「カジノ法案」を通じて決定されました。

カジノ法案(IR推進法案)の目的

では、カジノ法案(IR推進法案)を作る目的は何でしょうか?

これはカジノ法案の総則に記載されているので、これを要約して説明します。

「統合型リゾート(IR)」の整備の推進によって、まず「観光及び地域経済の振興に寄与する」ことが期待されています。

つまり、リゾート型の観光地を地方に作り、その自治体にもっとお金が入るようにしよう、という目的があります。

さらに、「国際競争力の高い魅力ある滞在型観光」が出来るようになります。

現在日本には、「MICE」と呼ばれる会議・旅行・展示会といったイベントが1ヶ所で可能な施設がありません。そのため、世界で通用する規模の国際展示場を作るという目的で作られています。

最後に、IRはカジノ施設を含むため、国が健全にカジノを管理する、という目的も含まれています。

IR(統合型リゾート)とは?

IR(統合型リゾート)とは?

IR(統合型リゾート)と聞くと「カジノ施設」のイメージがあると思いますが、IR推進法案ではカジノの面積がリゾート全体の3%以下になるように定められています。

「IR」は国際会議場・展示施設などのMICE施設、ホテル、ショッピングモール、レストラン、劇場、映画館、スポーツ施設、温泉といった非常に多くの施設が一体となっており、カジノはその一部に組み込まれている、ということです。

無論、カジノがIRの税収を支える大きな柱であることは言うまでもありませんが、ギャンブルが好きな方だけでなく、子供からお年寄りまでどんな方でも楽しめるリゾートが「IR」なのです。

海外の例

海外には多くのIRがあり、世界中から人気を集めています。特に有名な都市のIRについて解説します。

シンガポール

シンガポール

シンガポールは日本のIRが手本とするリゾートが多く、屋上が大きなプールになっている「マリーナ・ベイ・サンズ」や島全体が観光名所である「セントーサ島」などカジノを含む多くの観光地で賑わっています。

ラスベガス

ラスベガス

ラスベガスは言わずと知れたカジノの名所ですが、実はカジノ売上よりその他の売上の方が多いんです。自然観光、ショッピング、ショー観覧など、エンタメ満載の街が観光客を迎えてくれます。

マカオ

マカオ

税収の8割をIRが占めるマカオは、日本からの観光客も多く訪れています! ホテル内を運河が流れる「ザ・ベネチアン・マカオ」、大型のカジノが多いタイパ島など、マカオ地区全体が一つのリゾートと言えるでしょう。

カジノ法案(IR推進法案)のメリット

カジノ法案(IR推進法案)のメリット

続いては、日本にカジノを含むIRが出来るとどういったメリットが発生するのか?について解説します。

カジノ法案には様々な賛否があり、そのうち賛成の方は当然ながらメリットに大きな価値を感じていると言うことになります。まずはIRの利点について見ていくことにします。

日本経済の活性化・景気回復への期待

まずは「経済効果」について解説します。

1つ目に「カジノ税の収入」が思い浮かぶ方も多いでしょう。カジノによって税収が上がれば、その地域の新たな財源として利用できるようになり、公共サービスがより豊かになっていきます。

さらに、「海外からの観光客の増加」も見込まれます。観光立国を目指す日本ですが、現在「国際会議場」「国際展示場」といった施設(これを「MICE施設」と言います)が少なく、大きな利益を見込める団体客の誘致が難しいという現状があります。

そのためIRを作ることにより、国内外から観光客を誘致することができ、MICEを目的とした団体の来訪を見込める、と言うメリットがあります。

新型コロナウイルスによる規制が緩和される中、IRの経済効果はかなりの期待が寄せられています。

雇用を生み出せる

もちろん、その地域の「雇用の創出」もメリットです。一大リゾート地を目指すIRでは、カジノだけでなくショッピングモールやホテル、館、レストランに展示場など非常に多くの施設がひしめき合っています。そのため当然ながら多くの従業員が必要となり、必然的に雇用が生まれます。

最近は大手カジノの協力のもと、日本でもカジノディーラーの資格を取れる学校などが増えているようです。その地域の方がIRに従事することで雇用が生まれ、その分税収も上がることになるので、「新たな財源」として複数の都市が誘致しているのも頷けます。

インフラ整備など地域の活性化

そして3点目に「地域活性化」と言うメリットについて見ていきます。

もちろんリゾート地なので、観光客はその場所に向かうことになります。

IRに行くための交通インフラが整備されるため、その地域の住民の方が暮らしやすくなります。

また、観光客の方はIRにも足を運びますが、当然ながらIR以外にもその地域の観光を行うユーザーも多いでしょう。

IRを含むその地域が観光地として利用されるようになれば、その地域に訪れるユーザーが増えます。そういったIRと地域の好循環を産むことによって、地域活性化を見込むことが出来ます。

カジノ法案(IR推進法案)の問題点

カジノ法案(IR推進法案)の問題点

続いて、カジノ法案のデメリットについても見ていきます。

特にカジノ法案は賛否が大きく分かれており、2021年のアンケート調査では意見がほぼ半々に分かれるといった結果が出ているほどです。

そのため、デメリットについても詳しく解説します。

施設周辺の治安悪化

まず「治安の悪化」と言う懸念について解説します。

IRがショッピングモールや映画館などの娯楽施設を備えていると言ってもやはり一番大きな収益が見込まれるのは「カジノ」です。

カジノと言うと・賭博といったイメージが強く、特に青少年がギャンブルを知ると素行が悪くなり地域の治安が悪化してしまうのでは…と考える方も多いです。

また、暴力団などの反政府組織の介入を懸念する方もいます。

IR整備法では「適切な国の監視及び管理の下で運営される健全なカジノ事業」の推進を掲げており、暴力団員の締め出しやカジノ施設の治安維持について地域の警察と連携を図りながら取り組むことを明記していますが、なお不安視する方も少なくありません。

ギャンブル依存症の増加

また、最も分かりやすいデメリットは「ギャンブル依存症の増加」です。

日本は競馬・競艇・パチンコなど様々なギャンブルが楽しめますが、「ギャンブル依存症対策」については後手に回っていると言わざるを得ません。

「カジノ」という賭博施設が追加されることで依存症の人物が増えてしまう、といった懸念は当然です。

これについては政府が明確に規制を打ち出しており、「最新鋭の技術を駆使した入場規制」「1週間・1ヶ月あたりの回数制限」「入場料の回収」といった制限を加えることでのめり込みを防止する狙いです。

また、現在既に日本におけるは始まっており、例えばパチスロの「高射幸性機」が撤去されたのもIR法案によるものです。

マネーロンダリング

また、ギャンブルや賭博はとにかく暴力団や反社会組織との繋がりが深いと言うイメージが強く、「マネーロンダリングの場として利用される」といった懸念もあるようです。

「カジノ事業者」「ゲームメーカー」「ディーラー」全ての従業員が犯罪組織に関与していないと認められない限り、そのカジノでは遊べない…と考えるのは当たり前と言えます。

IR整備法では、IR事業者はカジノ管理委員会から3年更新の免許を取得する必要があり、またその他のカジノ事業関係者(主要株主等、カジノ施設供⽤事業者、施設⼟地権利者、カジノ関連機器メーカー等)においても免許・認可制にすることが定められています。

また、暴力団員のカジノ施設立ち入りの禁止、カジノ施設の従業者の規制についても定められています。

【IR】カジノ候補地は大阪「夢洲(ゆめしま)」に決定

カジノ候補地は大阪「夢洲(ゆめしま)」に決定

2022年4月の段階ではIRを開業する候補地が長崎・大阪のいずれかとなっていましたが、2023年、日本最初のIR開業地は「大阪府大阪市」に決定しました。

2023年の4月に国から大阪のIR区域整備計画が認定されたため、トラブルなどが起きない限り、最初のIR開業地は大阪になる可能性が高いと見込まれています。

大阪府のIR整備計画によると、IRが開業されるのは大阪市此花区にある「夢洲(ゆめしま)」です。

面積約390haの広大な埋立地であり、2025年予定の大阪万博の開催地でもあります。

なお、もう一つの候補地である長崎では佐世保市・ハウステンボスの敷地の一部を候補地として整備計画を提出しているものの、現在のところ審査が継続中であるようです。

日本のカジノが開業するのは2030年秋予定

当初、大阪府・大阪市ではIRの開業を2025年としていましたが、新型コロナウイルスなどの影響もあり整備計画を大幅に修正し、現在は2030年秋の開業を目指しています。
既に国による整備計画の認可は完了しているため、リゾート地の建設・鉄道路線の延伸など様々な分野で既に着手が始まっています。

しかし、2025年の大阪万博に対する問題などを含め、2030年に本当に開業するのかについては疑問の声も上がっています。

カジノが開業した場合の規制

カジノが開業した場合に実施される規制については、「IR実施法(IR整備法)」で定められています。

まず「入場規制」についてですが、IR実施法では「連続する7日間のうち3日以上、28日間のうち10日以上」入場することは出来ないと定められています。

これはマイナンバーカードなどの確認書類で管理すると決められています。

また、日本人や在日外国人のカジノ入場料は「6,000円」と定められています(外国人観光客の入場は無料)。これは日本がモデルケースとしているシンガポールを参考に定めたもので、ギャンブル依存症対策の一環として徴収されます。

反社会的勢力の排除のため、IR事業者を免許制、またカジノ事業者・カジノメーカー・従業員についても許可制や適切な規制を行うことが定められています。

世界の自国民に対する規制

カジノを運営する主な目的は「外貨の獲得」です。

そのため、多くの国では外国人がカジノを遊ぶことに対して制限は設けていないものの、自国民がカジノを遊ぶ際には入場制限を設けたり、入場料金を課したりしています。

アメリカ・マカオ・オーストラリアなどの国では自国民も自由に遊べるものの、例えばシンガポールでは入場料金が15,000円(150シンガポールドル)ほどかかり、ある程度厳格な入場制限も設けられています。

日本はシンガポールのIRを参考にしているため、6,000円の入場料金がかかるようです。

自国民の入場料金 入場制限
日本 6,000円 週3回、月10回まで
シンガポール 15,000円 なし
韓国 700円 月15回まで
マカオ 無料 なし
オーストラリア 無料 なし

日本人はクレカでカジノチップ購入不可

外貨獲得を主な目的とする為、日本居住者がクレジットカードを使ってカジノチップを購入することは禁止されています。(外国人の顧客はOK)

また、カジノ内にはATMの設置が禁止されているなど、多くの規制が存在します。

今後の展開について

2023年現在では、大阪府・大阪市のIR整備計画が国から認可されたことで、自治体とIR事業者が協力し、本格的にリゾート地建設の着手に取り掛かる直前の状況です。

しかし、夢洲という立地の問題(未整備のスペース、地盤沈下など)、2025年の大阪万博に関する問題、ギャンブル依存症対策などの問題が解決したわけではありません。

そういった問題の対策も並行して解決させつつIRが整備されていくと見込まれています。

カジノ法案(IR)のよくある質問集

カジノ法案(IR)のよくある質問集

日本のカジノはいつできる?

IR整備計画によると、日本にカジノを含む統合型リゾートができるのは「2030年秋」とされています。

しかし、建設地である大阪市・夢洲では2025年の万博開催においてかなりのトラブルが見込まれており、それに伴いIR整備についてもスケジュールに遅れが生じています。

そのため2030年以降の開業になる可能性も高いです。

日本のカジノはどこにできる?

現在IR整備計画が国から認可されている自治体は大阪府・大阪市のみとなっています。

大阪では、大阪市此花区にある夢洲をIRの開業場所に選定しています。

また、他にIR整備計画を提出している自治体として長崎県があります。

長崎県では佐世保市にあるハウステンボスの敷地の一部をIRの開業場所に選定しており、国から整備計画の審査を待っている状況にあります。

日本人は入れるの?

現在のIR整備法によれば、日本人はカジノに問題なく入ることができます。

ただし、マイナンバーカードの提示が必要で、入場回数は週3回・月10回までに制限される予定です。

また、メインターゲットである外国人観光客の入場料は無料ですが、日本人・在日外国人は1回ごとに入場料が必要となります。

入場料はいくら?

カジノ法案によって、日本人・在日外国人のカジノ入場料は6,000円と定められています。

そのほかIRの施設(ホテル・ショッピングモール・レストランなど)に入場する場合は無料ですが、カジノに入場する場合別途6,000円が必要です。

日本の施設ではあるのですが、ギャンブル依存症対策の一環として入場料が定められています。

日本にカジノが出来たらはどうなる?

日本にカジノが出来たからといっても、賭博罪が撤廃されるわけではありません。

海外の事情を踏まえても、「店舗型のカジノは合法・オンラインカジノは違法」といった国もあるため、一概にオンラインカジノが合法化される、もしくは違法化されると結論付けることはできません。

カジノの合法化に伴い、オンラインカジノの合法化については今後政府の対応を注視していく必要があると言えます。

マイナンバーカードが無いと入れないの?

日本人や在日外国人については、本人確認や入場回数を把握する目的から、マイナンバーカードを用いて入場者を管理することが定められています。

そのため運転免許証などその他の確認書類は現状では利用できません。

なお、日本に居住していない外国人については、パスポートを用いてを行うことが定められています。

カジノに対する税金は?

カジノの運営事業者に対して、カジノの関連収入のうち30%に当たる金額については税金として納められることになっています。

そのためカジノの運営資金と合わせると、IRで遊べるカジノでは還元率を下げて運営されることが考えられます。

より還元率の高いカジノを楽しみたい場合は、オンラインカジノで遊ぶのが最も良い選択肢と言えるかもしれません。

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